イヌの散歩時に起きるトラブル一交通事故

      2018/08/06

犬の散歩中に気をつけるべきこと
交通事故はものすごく嫌な症例の1つです。なぜならほとんどの場合、飼い主の落ち度が原因だからです。不可抗力でガンになったとか、歳をとって老衰で死ぬ、というのであればまだあきらめもつきますが、交通事故は人災です。気をつけていれば起きなかったはずのトラブルなのです。
私の経験では半数がノーリード、つまりひもをつけずに散歩していて事故にあっています。車の通りがあまり多くない地域では、けっこうひんぱんにノーリードでの散歩を目撃します。イヌも慣れたもので、飼い主にぴったりくっついていたり、10mぐらい先から、飼い主を繰り返し振り返ったりしながらウロウロ蛇行しています。確かにふだんはそれでいいのかもしれません。しかし、イヌはなにかのはずみで車道にですぎたり、急になにかに向かって走りだしたりします。そしてそんなときに、交通事故は起きます。

私自身、いまのマンションに引っ越した直後、道端でブラッシングしていたシェルティーを車でひきかけました。そのシェルティーは、どうやら道の反対側に猫を見つけたようでした。突如ダッシュして私の車の前に躍りでたのです。ブラシをもったおばあさんは完全に不意を突かれたようで、馬に引きずりまわされるカウボーイのような状態です。路地で徐行していたこともあり、ぎりぎりでとまれましたが、「無惨!獣医が自宅前で、老婆の愛犬をひき殺す」という週刊誌の記事が、脳裏をよぎりました。

よく飼い主は、「うちの子はおとなしくて賢いからだいじょうぶ」と言いますが、動物ですから突発的な行動は常に起こり得るわけです。あたり前ですが、その万が一に備えて常にリードは装着し、急な動きにも対応できるようにしておくべきなのです。

事故にあう残りの半分は、リール式の伸びるリードを使用している人です。これは本来、広い公園などでリードを長く伸ばすことによってイヌを走り回らせるためのものですが、これを路上で伸ばす人がいます。遠くまで伸ばした先のイヌが、突如横に移動したらどうなると思いますか?リードの長さがそのまま長い半径となって、円運動をしてしまいます。結果、やすやすと車道にはみだしてしまい、事故につながるのです。リール式のリードで事故を起こした飼い主のほとんどは、その危険性を意識していませんでした。かならず正しい使用法を知ってから利用するようにしなければなりません。

また、私は過去に2例、わざと幅寄せしてきた車にイヌをひき殺された飼い主を見ました。めったにないことですが、世の中にはさまざまな人がいます。できるだけ縁石のある歩道を歩くことをおすすめします。
だんだん意識が遠のいていったとのことでした。体内の大きな血管が衝撃で破れ、内出血を起こしたのでしょう。場所が特定できない大規模な内出血や内臓破裂は、仮に昼間の事故ですぐに病院で緊急に開腹したとしても、救える可能性は低いものです。この飼い主には「あたりどころが悪かったです」としかいえませんでした。

その一方で、派手にはねられたはずのイヌが、軽い打撲だけですんだこともあります。来院したときは鼻から血を流して意識ももやしかったのですが、結果的には一時的な脳震盪だったようです。しかし、こんな運のいいケースを期待してはいけません。散歩をするときはかならずリードをつけ、伸びるリードは慎重に使ってください。もちろん、車の多い地域の人は特に気をつけてください。そして、不幸にも事故にあってしまった場合、素人判断で決めないで、とにかく病院へ急行してください。

事故にあったらとにかく動物病院へ

車にせよオートバイにせよ、直撃でひかれた場合は、即死に近いダメージを負います。もちろんわずかな望みにかけるため、最寄りの病院へ急いでほしいのですが、一見すり傷に見えて油断している間に、具合が悪くなることもあります。以前、夜間に女性から「車とぶつかったが平気そうに見えるので、このまま様子を見ていいか?」との電話が病院にありました。私は念のため来院するようお願いしたのですが、30分後にタクシーから降りてきた彼女の腕の中には、すでに死亡したイヌが抱かれていました。

観察してみると、舌や粘膜が真っ白になっていました。

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